(恐らく長文になるので、興味のある方にお読みいただけたらと思います(*^-^*))


今日から4月になりました。
SHINさんとちょくちょく話はしていたのだけれども、
本格的に1夜限りのイタリアンレストランの話は、今年の1月ごろに始めた気がします。
お互い別々に仕事をしながらのコラボなので、時間という魔物に追われながら
でも「お客様にとびっきり喜んでいただきたい」という気持ちは同じでした。

快く力を貸してくれたわが友SHINシェフには心から感謝しています。


27日(金曜日) 前日
数日間、シェフは夜遅くまで仕込みを続けていました。
それはもう全部手作りをしているから・・・
そしてアシスタントがいないので、切り込みから、ダシをとるのもシェフ・・
日ごろ違う形態の店なので(akaiito)なにからなにまで仕込みになるので、
働けど働けど働けど、時間だけが過ぎてゆくという感じでした。

その忙しいさなか
「ちょっとカフェしながら話したいねん」って
・・・おっしゃいますけど・・
と、思ったのですが、シェフに従がうことに 笑。

私はいつも「~しなければならない」とか「これをやってしまわなければ」
という考え方をしてしまうので、一人の時はもしかしてすごい怖い顔してるかも?

SHINさんはずっと笑っていて、焦りまくりの状態なのになんだか余裕で
最後はわたしも「頑張ればなんとかなるだろう」と思うに至っていました 笑。

「だって、ちょっと息抜かなやってられへんやろ 笑?」って。
イタリア風

そうそう、その考え方大事ですよね。

1人でイタリアに渡って、大変なこと、想像以上な事いっぱいあったやろうに・・
このスマイルで乗り越えてきたのね、と、つくづく思いました。

そして、仕込みは24時を回り、26時を回り・・・28時(って何時 笑?)
もう、連日連夜ほぼ徹夜なので、
いったん家に帰って、仮眠とシャワーをして戻ることにしました。

SHINさんの「後から一緒にエスプレッソ(マキネッタ)飲もうな」という
その一言を楽しみに 笑。


28日(土曜日)朝

SHINさんがお気に入りの店でコーヒー豆を買ってきて
マキネッタをグツグツ?火にかけるといい匂いが漂いました。
アロマ・・・
私のほうがコンロの近くにいたので、カップに注いで持ってゆくと

「むっちゃんも一緒に飲もうよ、こっちにおいで」

そうですよね、二人で飲むほうが美味しいに決まってます(*^-^*)。
忙しくても一緒に飲む、笑う、話す、コミュニケーションって大切ですね。
なんだか、そういうこと、ずっと長く忘れてた気がします。

人生って、人とのかかわりの中にあるんだなってそう思いました。


開店前
必死に準備中!!
見えない手間が山のようです。
延べ何十時間仕込みをしていたかわからないくらいですが、
仕事は綺麗(美しい)で早いのに、です。
シェフは終始笑顔で落ち着いていたので、
私の仕事は、ゲストの皆様に喜んでいただくことと、場をつなぐこと!!
焦らない、楽しく、そして楽しんでいただくこと(*^-^*)!!


途中で何度も
「速さ」でいくのか
「ここにしかないもの」を追求するのか
という確認をした気がします。
お待たせしてしまっても
ほかにないもので行こうと軌道修正せずに進めていきました。

でも、ここで思ったのが
1日しかない今日
1夜しかない今夜
ここはイタリア!
ワイン飲みながら、お話ししながらゆっくりお食事いただくもの素敵だなと、
それは主催者だからではなくって。
「早く早く(ファスト)」が正解みたいな世の中
早いだけが正解なのかな?と、いう疑問があり
皆様と一緒に「スローディナー」を
「スロースローディナー」
でも、最大限急ぎつつ!

旅行に行ったような気分・・・

パスタも生地から練ってパスタマシンでシェフが伸ばしてました。
(さすがイタリア仕込み)
それをお客様方が見に来たり、和気あいあいと進みました。
もうアタッチメントもなく、お手のもので伸ばしてゆくのですごいです。
シェフ曰く「そこらの奴には出来ない」との事(*^-^*)。


最後に出たのは、シェフが仕掛けたサプライズ!
カプレーゼ!

ドルチェなのにカプレーゼ!
これも素敵でした。
ちゃんとチーズアイス(シェフ特製)にジェノベーゼもかかってますし、
トマトもドルチェになって、なんってこった!!
(この下のケーキだけ私が焼きました)

そんなこんなで①の時間は終了しました。



時間②

終了する前に②の時間のお客様がお越しくださり、
バッタバタの店内のお片付けです。
まるで舞台の転換のようなドタバタ劇になりましたm(__)m。

お待たせしてしまったにも関わらず、
笑顔でお越しくださって、
しかも①のディナーの片付けまで手伝ってくださり、
お客様に大感謝です。

これは、お客様がとっても成熟されていて「素敵な大人」の方ばかりだったからで、
通常はこんな風にはいきません。
ふつうはクレームも出ると思います。
この少しの失態をたたく時代に、みなさんが笑顔で
「手伝うよ」とおっしゃって下さったこと、シェフともども感謝しています。

「私に任せて」と、下げ物をしてくださったみゆきさん
「ドリンク配りますよ」と、ホールを引き受けてくださったあやさん
「洗い場はいるよ」と、洗い場まで手伝ってくださったあきちゃん
みなさんに大感謝です!!
(前ブログとかぶります)

②の時間は「大人のイタリア旅行」という感じで、
最終的にはみんなで喋ってました 笑。

あたたかくて
たのしくて
非日常の時間が過ぎてゆきました。
Una volta nella vita, una volta stasera, sii felice

こちらでも「時間が早い」ことより
「イタリアで修業したシェフの料理が食べたい」という感じで、
お出しするスピードは遅かったのですが、
心のこもったイタリア料理にみなさまご満足いただけて、泣きそうでした。

ここでも相変わらず、パスタを手打ちしてました(*^-^*)。

イタリアに行ったら、
夜中でもワイン飲んでパスタ食べたりしてるんです。
それ「いいなぁ」って思ってたんです。

理由を訊いたら
「今日は今日しかない」とおっしゃってました。
日本人は「明日のために早く帰る」って考え方ですが
イタリアは「今日は今日しかないので今夜を楽しむ」と、
いいなぁ・・ってず~っと思ってました。
イタリアから(個人旅行)戻った時は
「イタリアに住む」とかいう本を見たりしてたくらいです。

お客様方もみなさんそんな感じで旅に出た気分で
「一夜しかない幻のレストラン」を楽しんでくださり、
今夜を楽しむ
そんな貴重な夜でした。

出来合いのものを使うわけでもなくダシも全部あさりからとったりしていて、
そういうオーガニックなお料理を召し上がっていただけて、
皆様の笑顔が最高でした!
Il tuo sorriso è come una dea

お客様が素晴らしかったです。
そして、みなさんよく飲みました(*^-^*)。


Notte deliziosa e meravigliosa

そして、みなさん宴もたけなわで
なかなか終わる気配がなかったので、ある程度で「閉店」しました(*^-^*)。
Solo una notte, un fantastico ristorante italiano

「akaiitoのお客さんは、ほんとに素敵な人ばかりだなって今回私もすごく思ったよ。
いつも一生懸命なむっちゃんを見てるから、みんな力を貸したくなるんだと思う
akaiitoってやはり他のカフェにはない魅力がある特別な場所で、
みんなほんとにあの場所が大好きなんだなぁと実感してました。
江藤シェフもすごく人柄のよい素敵な男性よね。」

「いまね(コロナで)ほんと事業者さん方は
大変な目にあってる
その中でイタリアン、あんなにもお客さまが
来てくださるお店はもうそれだけで
今までの絆がわかるお店なんだよ」

前菜のお野菜の繊細なお味から
桜の花が出てくる
お花見に行けないけど今夜はお花見のマジック!

明石の鯛のアクアパッツァも出てくるわ(桜塩)
フランス産の鴨も出てくるわ

手焼きの桜塩のフォカッチャや
手打ちのパスタや・・・

人気だった豚のコンフィ(5時間オイルで煮込んだので帰れなかったのです 笑)
キャラウェイハーブ鶏・・・

selvatiche スパゲティーニ alla ジェノベーゼ・・・

全部は書いて無いですが、フルコースのディナー
心づくしでした(*^-^*)。

11品も出てました(*^-^*)。

でも、こういうのはお客様へのお礼なので、これでいいのです。
一緒に楽しめたらそれが何よりです(*^-^*)。

とっても楽しかったです。

何か、日ごろでは味わえないような非日常を味わっていただけて、
あぁ・・3月28日はたのしかったなぁ・・と、思ってもらえたら嬉しいです。


時間をゆっくり過ごすことが苦手になっている人が多い現代。
目の前の人と話すことがない時代に
ゆっくりお話ししていただき
ただ「食べるだけ」でなく、時間と空間を楽しんでいただけて
とてもうれしくてありがたかったです。

お客様のご協力と
あたたかなお気持ちに感謝いたします。

空間が陽気で素敵で最高でした!!
心よりありがとうございました!!
GRAZIE!

そして、大変お待たせしてしまいましたこと
心よりお詫び申し上げます。

今回は、シェフがあまりに忙しく
ホールに出る機会がなかったので、
次回あるならはもうちょっと軽い「飲んで食べて」
Una serata divertente da bere e da mangiareみたいな
(みなさんがよく飲んでくださるので)
飲みとお料理的なのが出来るといいね!
と、話しました。

また、みなさまと「一夜限りのイタリアンレストラン」でお会いできる日まで
わたしも頑張ります!!

ご来店下さった素晴らしいゲストの皆様に感謝を込めて。

ほんとうにいっぱいありがとうございました。
この人生でみなさまとお会いできたことが何よりうれしいと思えた夜でした。

akaiito店主

Grazie per una notte meravigliosa!