akaiitoを始めた時は「小料理屋のようなカフェ」だった話は、何度もお話ししたと思います。干支が一周するほど前の事です。

北新地の小さな料理屋で、フードコーディネイターのアシスタントとして働きながら、フードスタイリストをしながら、夜に働いていたのです。「どんだけ働くねん?」という感じですが、休む間もないという感じで、走り回っておりました。その北新地の「小さな料理屋」に通うお客様は、有名なソムリエさんだったり、大きな会社の社長さんだったりでした。

元々カフェ好きで、梅田や堀江や南船場の人気の店で掛け持ちをしたりしていました。採用されるだけでも大変!という店ばかりです。今と違って、昔はカフェの店員はかなり倍率の高い職種でしたので。カフェはありとあらゆる店に言ってましたが、お食事というとまた別の話になってきます。

北新地の小さな料理屋さんに通うお客様は、食通の方が多く、時折お食事に連れて行ってもらったりもして、そこで「そっかぁ、食通の人ってかっこいい」そんな体験を重ねました。みなさん「注文しない店」を持ってらっしゃいます。要は、座るだけです。座るだけで料理が出てくる、そのお互いの信頼を持っている、店の方としっかりと信頼で結ばれている!そんな店を持っていて「めちゃくちゃかっこいい」と思いました。これは、高級な店という事じゃなくて「めっちゃ好きな店」という感じです。

そういったお店は、並ぶこともなくふらりと入って「大将!こちらの女性に美味しいもん食べさせてあげて」それしか言わない。そして、出てきたものに文句なんて言わない!!そこで、大人ってそういう事なんや!と、知ってしまいました笑。

「何が食べれるの?」「写真見して」と、そういうのではなくて、もうまったくお任せ出来る店があるって事です。もちろん、私が働いていた「小さな料理屋」でも、誰か注文しているところは見たことないです。注文するのは、お酒とか、烏龍茶とかだけでした笑。

それで、私は、あの時がとっても楽しかったので、下積みを経て、自分の店では「お任せ」と仰って下さるような、そういう営業がしたくて。そういう感じで始めたのですが、現実は「何が食べれるの?ハンバーグ?エビフライ??」と、なってしまい、ランチは固定メニューという方向へ向かいました。続けてゆくことは、お客様のご要望にお応えすることでもあって、固定ランチになって10年以上の月日が過ぎました。もちろん、あの腸活健康ランチは私にとっても自信作で、お客様にとっても大好きなメニューとなって幸せいっぱいです。

初めのうちから、今でも通ってくださっているお客様は「お任せ」のお客様が多い気もして、

結局「お任せ」→「固定ランチ」→「お任せ」に戻りました。

お任せで食べれる店を持つって、ほんとカッコいい!これは私基準ですけれど。世知辛い世の中「安心な店」というのも、貴重な気がしています。この度のリニューアルで、その「お任せ」を愉しんでいただけるようになりました!

「akaiito行って何かたべよう、とりあえず予約しよう」そう思って予約して下さるお客様の「注文しない店」という特別な店でありたいです。青い鳥さん(おなじみさんのこと)は、akaiitoでは、何が出てくるか分からないという事にみなさま慣れていらっしゃって「何か美味しいもの食べさせてくれるんだろうな」と、いつもご予約下さいます。

よく通って下さる「お任せ」のお客様も、若い方は25歳とか26歳とか・・そのくらいのご年齢だと思います。上は80代のお客様もいらっしゃいます。

どんな店が好きかというのも、人それぞれでいいと思います。食の感性というのは生き様のようなものですから、何を選ぶのか何を食べるのか。

そして、何よりうれしい事は、お客様からメッセージを頂戴する毎に「長く続けてください」というフレーズが入っています。「ずっと通いたい」そう思ってくださっているお気持ちが、本当にうれしいですし、お客様のそんな店になれて感激です。

私もお客様の事が大好きで、ちゃんと覚えています「この方は、ダシのうま味のファンでいて下さる」「この方は、奇想天外なメニューにウキウキしてくださる」「この方は、デザートにトキメキを持ってくださっている」と。


お一人様 ¥5455(税込¥6000)のランチは、すごくお得だと思います。

27日は、お一人様のお客様もご予約いただける日として、設定させていただきました(通常時は、ご予約は2名様からです)。

ぜひ、小さな隠れ家でのひと時を愉しんでいただけましたら幸いです。


そして、お客様を拝見していても感じますが、最近は「ひとつの好きな店にしか行かない」という店の選び方に変わってきているそうです(当店は、トレンドに関係なく以前からそういう感じですが)。インスタグラムが出てきて、色々な店を知って、回ってみて、結果「好きな店が分かった」と、なってきたのかもしれないですね。その店がakaiitoなら、私はほんとうにすごくうれしいです。

 

店主mumu