2025年9月26日

 

 

video-output-4055C905-11A7-481B-8D85-BD5DAA5667C6-1

 

秋風に誘われて、私だけの特等席へ

秋の風が頬を撫でていく午後、私はいつものように「akaito」の扉を押した。

店主さんが注文を聞いてから丁寧に豆を挽く音が響く。スペシャリティな豆が、グツグツと沸き上がるお湯の音と共に、ゆっくりとドリップされていく。誰かにコーヒーを淹れてもらう――そんなささやかな贅沢を、今日もまた自分に許してあげよう。

いつものチーズケーキと一緒に。時には時間に追われて、コーヒーだけの日もあるけれど。

コーヒーを挽く音、お湯の沸く音、一滴ずつ落ちるドリップの気配。そして何より、コーヒー好きの私さえも思わず唸ってしまうその美味しさ。悩みを抱えた日も、心躍る幸せな日も、この席に座ることが私の儀式になっている。

まるでこの席は、私の恋人のように。

古いジャズが静かに流れて、時間がゆるやかに過ぎていく。誰にも教えたくない、私だけの秘密の場所。この恋が実を結ぶ特別な席に座って数日後、不思議なことに素敵な人との出逢いが訪れた。それからというもの、定期的にこの席を訪れるのが習慣になった。

全てが私にとって特別な、スペシャリテ。

今日もまた、この席で静かな午後を過ごそう。