どうしてもこの椅子に座っていただきたかった。。。

akaiitoの椅子はLloydLoomのヴィンテージチェアです。サイズはかなり大きくて、席数をたくさんとらないといけないカフェという業態には不向きの椅子です。

椅子の話はずっとずっとしているのですが、11年目になると新しいお客様も多くなっていてお伝えできてない事が多いみたいで書いてみます。

この椅子もっと白かったんです、古いお客様には最近「昔はもっと白かったのに、良い感じになってきたね」と声を掛けていただいたりもします。そういう事がすごく嬉しいです。akaiitoに馴染んできてお客様にとっても「いつもの座り心地」である事、それってすごく素晴らしい!!

 

公式の説明

20世紀のデザインを変える先駆者として大きな成功をおさめたロイドルームの家具は、1922年、イギリスのウィリアム・ラスティが経営するW・Lusty&Sons社が製造ライセンスを取得したことで、ヨーロッパでも広く知れ渡っていきます。ウィンブルドンのロイヤルシートや豪華客船などにも使用され、当時のステイタスシンボルだった鉄道産業のLondon and North East Railwayのホテル全館に採用されたことで、伝統と品格を重んじる英国人に認められる存在となりました。現在ではコレクターズアイテムとしてヨーロッパ各地で高い人気を誇っています。

ワイヤーに紙を巻いて、それを編み上げているんです。座面に板が入っておらず、ワイヤーなので座る人の身体に沿ってくれるんです。かなり大柄のヨーロッパの人が座る椅子なので、どっしりと包み込んでくれます。

当店は「大人の寛ぎ」をコンセプトに掲げているので、小さな背もたれが直角の椅子を置くのが嫌でこういう大きな椅子を持ってくることにしました。買うならヴィンテージの方がカッコイイなと思って、ヴィンテージを探してようやく配置することが出来ました。

(写真 雑誌 FOGARO ロンドンのインテリアスタイリスト エミリー・チャルマースの「クラッシックな花柄が主役の、英国スイートな寝室」という記事より)

イギリスやフランスのおしゃれな人たちはこの椅子を好きな色にリペアと言うか・・・塗りなおしたりしています。でも、今のakaiitoのロイドルームの感じはとっても良いですよね。

お客様の中には実際にLloydLoomを買おうかな?とお考えの方も多いです。調べてみると、1点ものでイギリスから買い付けられているのもありますよ。(akaiitoのLloydLoomは1960年代)

昨日の記事から続きますが、妄想族の私はやっぱりこのLLOYDLOOMチェアを置きたいと決めたのにも妄想のエッセンスが・・・笑。パリのアパルトマンの小部屋に迷い込んだような、というテーマで店のインテリアも外装も何もかも決めました。それで、こう赤い壁に白いLloydLoomチェアって品が良いなと思って、お客様が座ったお姿などを想像して「素敵やなぁ」って。

その上その頃の店のイメージは、ピカソ、ダリ、ローランサン、アポリネールなどが集まったモンマルトルのカフェのような・・・芸術や政治や・・・色々な話が夜な夜な生まれるようなカフェだったので、そのような場所にはそれ相応の椅子が必要と思っていました。

私はお酒が飲めないけれどバーが好きです。知らない人と出逢ったり、みんな「肩の荷を下ろしている」そんな感じが好きです。カフェもそうです。いつも気が付けば友達とカフェに寄って、カフェに行くことが息抜きでずっと幸せな時間でした。その上カフェで働いてもいました。

そういう場所にはお気に入りの椅子を置きたかったんです。食べる事、飲む事、話す事、座って心地よい事。

akaiitoの中には、店主の色々な思いが散りばめられています。

何度もアップしていますが初めてのお客様の為に LloydLoomの椅子を作るところ

おとなの寛ぎの小さなmaison くつろぎのcafe パリのアパルトマンにお部屋に迷い込んだようなお時間を。