2025年6月1日

心の奥底に響く、見えない「引力」

最近、胸のあたりが詰まって、咳が止まらず、苦しくて眠れない夜がありました。これは、もしかしたら「第4チャクラ」が詰まっているのかもしれない、とふと思いました。そんな時、私の心を優しく解き放ってくれるのが、カルロス・ナカイのネイティブアメリカンフルートの音色です。不思議と、この音を聴いていると、お寺の静寂がよみがえります。

子供の頃、私は有名なお寺のすぐ近くに住んでいました。全国からたくさんの小坊主さんたちが集まっていて、姉の同級生の小坊主さんと、夕暮れの境内で話したり遊んだりしたものです。世界遺産が遊び場だったなんて、今思えば本当に贅沢な時間でした。今でも、お寺は私にとって、ごく自然にそこにある、心が落ち着く場所。奈良県民ならではの、小さな特権かもしれません。

自営業を始めて、一人で走り続けていると、心が追いつかない時があります。そんな時、私が向かうのは唐招提寺か薬師寺。ただ、ぼんやりと座っているだけで、心が静かに満たされていくのを感じます。薬師寺の温かい雰囲気、唐招提寺の凛とした静寂。理由もなく、ただ、心が落ち着くから好きなんです。

そして、カルロス・ナカイの音楽を聴いていると、あの胸の詰まりが不思議と楽になる。もちろん、気管支炎や喘息といった身体的な要因もあるでしょう。けれど、何かが心に詰まって苦しい、という感覚は、きっと誰もが経験するものです。私にとって、それはまるで、目には見えないけれど確かに存在する「心の引力」のようなもの。誰かがかけた電話があなたにしか届かないように、あなたに届いたLINEがあなたにしか届かないように、ある種の「共鳴」が、私たちを結びつけているのだと感じています。


漢方チャイが紡ぐ、穏やかな時間

akaiitoの漢方チャイは、茶葉と漢方をしっかりと煮出して作っています。使っている漢方の中は、お坊様が身を清めるために使う「塗香」に近く、同じものも含まれています。この香りが、心を深く落ち着かせてくれるのかもしれません。

akaiitoは駅から遠く、決してアクセスが良いとは言えない場所にあります。だからこそ、誰でもふらりと立ち寄るようなお店ではありません。今年で14年目を迎えるこの場所は、「ここが好き」「ここが落ち着く」と心から感じてくださる方々が、長い時間をかけて見つけてくださった場所です。もちろん、日々新しいお客様との出会いもありますが、お客様は穏やかで、静かに、ご自身の時間を過ごされます。

当店は、お一人でいらっしゃるお客様を心から歓迎しています。というよりも、実のところ、お客様の99%がお一人でご来店されます。静かな空間で、そっとご自身の内側と向き合える。そんな場所だからこそ、そんな波長を持つ方々が、自然と集まってくださるのかもしれません。

奈良の旅の途中で、もし心が少し疲れたと感じたら、ぜひakaiitoに足を運んでみてください。小さなチーズケーキのアトリエで、心の奥底に染み入る漢方チャイと共に、あなただけの、穏やかで豊かなひとときをお過ごしいただけたら幸いです。

(akaiitoのチーズケーキは、生駒市ふるさと納税返礼品にも選ばれており、7月からは奈良県ふるさと納税返礼品にも加わる予定です。)